小学生の娘との親子関係に悩む母ペコです。
我が家には、小学生の娘がいます。
小さい頃から割と口が達者な子でしたが、ここ数年は特に文句や言い訳や揚げ足取りが上達(?)してきて、ちょっとした親子の会話でも、思わずカチンと来たり、答えに窮してしまうこともしばしば…。
そんな時、つい嫌味な小言を言ってしまったり、キツイ口調の正論で娘を追い詰めて泣かせてしまったりして、後で自己嫌悪に陥ったりしていました。
娘と言い争うたびに、どういう対応が良かったのか…と毎回悩みます。
NHKの「ウワサの保護者会」という番組をご存知ですか?
尾木ママこと尾木直樹さんが、小中学生の保護者の方々と 、子育てや教育に関するリアルな悩みや改善策について、時には専門家も交えて語り合う…という内容の番組です。
私は、毎回必ず視聴しているわけではないのですが、時々いまの我が家にドンピシャな回があったりするので、毎回録画しておいて、興味のある回だけ選んで視聴しています。
その番組の中でも、私が勝手に「神回」と思っている回がありまして、それが2020年6月に放送された「シリーズ虐待を防ぐには(5)”しつけ”どうすればいいの?」という回でした。
PCIT(親子相互交流療法)という、何やら難しそうに聞こえるテーマが取り上げられていました。
まさにその時、子育てに悩んでいた私への回答となる内容だったので、繰り返し何度も見て、その後も1年半経ちますが、うっかり録画消去しないよう録画保護して、時々自分の子育てが不安になると見返すようにしています。
自分自身も後々内容を思い出しやすいように…ということで、この番組を通して知ったことのポイントをまとめてみました。
私と同じように親子関係で悩んでいる親御さんには、きっと参考になると思いますのでぜひ読んでみてください♪
子育てスタイルは4種類 私は何タイプの親?
理想のしつけについて論じる前に、まず親のタイプを4種類に分類します。
下の図は、上へ行くほど子どもへ対応に温かみがある親で、右へ行くほど子どもへの要求や制限の多い親を表しています。
関係欠如タイプ
温かみも要求も無く、子どもに関心のないタイプの親です。
いわゆるネグレクトが、これにあたります。
許容タイプ
温かみはあるけど、特に子どもに要求や制限を出さないタイプの親です。
子どもの我がままを「しょうがないわね~」と許してしまうパターンがこれ。
独裁タイプ
要求や制限は多いけど、温かみは少ないタイプの親です。
しつけのつもりで、子供にキツく当たり過ぎてしまう親がこれです。
行動が行き過ぎると、虐待になってしまう恐れも…!
リーダーシップのあるタイプ
子どもへの温かみを持って、的確な要求や制限が出せるタイプの親です。
これが理想のタイプの親とされていました。
お子さんがいらっしゃる方は、この4種類のうち、どのタイプの親に当てはまったでしょうか?
ガーン!私は独裁タイプだった…!
我が家の子育てでは、娘にあれこれ要求や制限を多く与えている気がします。
同時に、娘に対してのスキンシップは、よそのご家庭に比べて、あまり多くない…つまり、自分が完全に独裁タイプの親だと感じました!
私自身は完璧主義っぽい性格だと自覚しています。
完璧主義者の特徴として、ものごとへの評価が減点方式になりがち…ということが挙げられます。
例えば100点満点のテストで50点を取ったとき、「半分もできた」ではなく「半分しかできなかった」と感じてしまうのが減点方式の完璧主義者です。
私の場合、完璧主義な性格が子育てでは常に裏目に出てしまいます。
「がんばったね」 と言ってあげれば良い場面で、
つい「次はもっとがんばろうね」 と声掛けしてしまいます…。
親のタイプは子どもの性格に影響してしまう!
さて、4種類の中から親のタイプを自覚できたところで、次はその親のタイプごとに、子どもの性格に与える影響についても説明されていました。
子どもの性格にも、先天的な部分と後天的な部分があると思いますが、後天的な性格はこのような親の接し方でも大きく左右されてしまうってことなのですね…。
「三つ子の魂百まで」と言うけど、そんなことももっと意識して子育てしておけば良かった…と今更ながら思います。
そして親のタイプ別に、子どもの性格にどんな要素をもたらしやすいのか?も紹介されていました。
関係欠如タイプ
感情のコントロールが難しくなる。対人関係が混乱しやすい。
許容タイプ
反抗的・挑戦的になりやすい。継続性に欠ける。
独裁タイプ
不安を感じやすい。人とのコミュニケーションに自信が持てない。
リーダーシップのあるタイプ
自信がある。感情のコントロールに長けている。対人関係のスキルに優れている。
どうでしょう?「確かにうちの子、そうかも…」と感じる部分はあったでしょうか?
「うちの子まさにこれ!!」と首がもげそうな勢いで頷きました!
先ほども述べたように、私は独裁タイプの親だと自覚しています。
うちの娘の性格は、こんな感じです。
- いつも自分の選択に自信がなく、「これでいい?」と確認してからでないと行動したがらない。
- 「失敗したらどうしよう」と不安がり、挑戦すらしないことが多い。
- 私と同じく完璧主義で、何かをどれだけ上手にこなせても「自分はこんなに下手だ」と嘆く。(減点方式)
- 自分から人に話しかけるのが苦手。登下校中の見守りをして下さっている地域の人への挨拶も、なかなかできない。
- 友人との口論やトラブルがあった際、その場では自分の気持ちを伝えるのを我慢して、帰宅後に不満をぶちまけがち。
…など、書き出したらキリがありませんが、確かに独裁タイプの親を持つ子の特徴
「 不安を感じやすい。人とのコミュニケーションに自信が持てない 」
に、見事に当てはまっているようです。
今までは、これが娘の先天的な性格なのだろうか…なんてぼんやり思っていましたが、どうやらこのような性格になった原因は、私の娘への接し方によるものが大きかったようです…!
このままではマズイので、どうにかして親子関係を改善していきたいです!
スキルを身につけよう ~特別な時間~
番組では、親と子の性格を分類して終わり…というわけではありませんでした。
理想とは異なる形になってしまった親子関係を改善するための心理療法として、
PCIT(親子相互交流療法)
という、1970年代にアメリカで開発された方法が詳しく紹介されていました。
- 主に2~7歳の子どもと その親が対象
- 問題行動のある子への対処方法として
- 虐待の再発の予防などに役立っている
PCITはもともと、問題行動のある子や、それに対処できない親向けの心理療法だったのですが、その方法自体は、一般的な子育てにも非常に役に立つと言われています。
我が家の子育てにも、大いに役立ちそうな予感!
気になるのは、具体的な方法や手順ですよね。
番組では、具体的な実践方法として、子どもが親をリードする「特別な時間」で、遊びながら親子の関係性を改善する方法が詳しく紹介されていました。
「特別な時間」はどう実践するの?
「特別な時間」は、親が自分のことをしっかり気にかけてくれていることを感じられるよう、一対一で5分間行います。
この5分の間は、親子2人が落ち着いてやり取りできるよう、テレビなどの雑音は消すようにします。
5分間はタイマーなどで時間をはかり、開始前には「これから特別な時間を始めます」、終了後には「これで特別な時間は終わりです」と子供に伝えます。
毎日の習慣として続けて行くことが大事で、親が無理なく継続するのにも、5分と言う時間設定がおススメだそうです。
5分間で、何をすればいいいの?
遊びの内容は、
- 積み木
- ブロック
- お絵描き
- 粘土
のような、建設的・創造的な遊びが向いています。
…と言っても、ただいつも通り遊ぶだけではありません。
この5分間、親は、
- Don’tスキル: 封印するべき3つのスキル
- Doスキル: 増やしたい5つのスキル
- 無視のスキル
を実践しつつ子どもの相手をします。
質問
命令
批判・皮肉
ほめる
繰り返す
まねる
説明する
楽しむ
1つずつ詳しく書いていきます!
Don’tスキル
Doスキル
無視のスキル
もし子どもが癇癪を起こすなど、良くない行動をした時はわざと無視します。
そして、良い行動が見えたらすかさず褒めます。
この「無視のスキル」と「良い行動を褒める」ことを組み合わせることで、次第に子どもの問題行動が少なくなっていくのです。
効果的な指示の出し方
Don’tスキルで「命令」は封印すべき、と書きましたが、では最後に、効果的な指示の出し方についても触れておきましょう。
- 間接的よりも直接的に
「〜してくれない?」ではなく「〜してください」 - 指示は肯定的に
「〜はダメ」ではなく「〜してください」 - 指示は1回に1つだけ
- 具体的に
「気をつけて!」ではなく「ゆっくり歩いて」 - 子どもの年齢に合わせる
- 礼儀正しい言い方で
- 理由は指示の直前か直後に
- 必要なときだけ
以上のように、5分間の「特別な時間」を通して効果的な指示の出し方を学び、親子の良い関係を強化していくのが、PCIT(親子相互交流療法)です。
親子関係を改善する PCIT子育ての本
NHK番組「ウワサの保護者会」の中では、PCITのポイントが分かりやすくコンパクトにまとめられていましたが、もっと詳しく知りたい方や、具体的な例なども交えて話を聞いてみたいという方には、この番組に専門家のアドバイザーとして出演されていた、精神科医の加茂登志子さんの書籍がおすすめです。
「1日5分で親子関係が変わる!育児が楽になる!PCITから学ぶ子育て」(小学館)
私はここ数年、娘と衝突することや口論の回数が増えてきて、どこからどう改善していけば良いのか…と途方に暮れていたタイミングで、この番組と書籍に出会いました。
書籍では、実在の親子の体験談が掲載されていたり、親子関係の例を「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」の親子に当てはめて、ユーモアのある文章で分かりやすく解説されていたり…と、専門的な言葉は控え目に、非常に読みやすい文章で書かれています。
具体的な手法が示されていたことで、とても取り組みやすく、「もしまた関係がこじれても、もう一度この方法に立ち戻れば、きっとうまくやり直せるに違いない」と、精神的にも楽になることができました。
この記事が、私と同じように親子関係で困っていらっしゃる方の目に留まり、PCITを知って親子関係改善のきっかけになれば幸いです♪
最後までお読み頂きありがとうございました。